2015年7月6日月曜日

チョコレートと音楽のお話し1

アーモンド チョコレートのワルツ

Valse du chocolat aux amandes



時代を遡り、アーモンド チョコレートを捜索したところ、
アーモンド チョコレートのワルツという曲の楽譜と出会った。
フランスの作曲家、エリック・サティ(1886年~1925年)の曲だ。
サティは1913年に、
『短いこどものお話し』
『絵にいかいたようなこどもらしさ』
『うるさいいたずら』という
こどものためのピアノ曲集を発表した。
アーモンド チョコレートのワルツは、
『短いこどものお話し』の中にある。

譜読みをしてみると「ヘン」なワルツで、
何が言いたいのかわからない。
楽譜には詩が書き込んであるが、歌詞ではないと思う。
でも、その「ヘン」なワルツと詩が絶妙に絡まり合うと、
「へー」と思えてくるのだ。

***<>***

Tu vas en avoir un peu.
少しだけなら食べていいわ。

Tu aimes le chocolat ?
チョコレート好きでしょ?

Laisse-le fondre dans la bouche.
口の中でとけるまで待つのよ。

Maman, il y a un os.
ママ、硬い骨が入ってる。

Non, mon petit : c’ est une amande.
いいえ、それはアーモンドよ。

Le petit garçon veut manger toute la boite
ぼうやは一箱全部欲しがります。

Comme il est gourmand!
なんて食いしんぼうなんだ!

Sa maman lui refuse doucementil ne faut pas qu’il se rende malade.
ママはやさしく叱ります:おなかを悪くするといけないからね。

HorreurIl trepigne de colère.
おやおや、ぼうやがだだをこねている。

******

1913年のアーモンドチョコレートはどのような形をしていたのだろうか。
板チョコの上にアーモンドがお行儀よく並んでいたのだろうか。
それとも、砕いたアーモンドが混ざった板チョコだったのだろうか。
詩の中に、
「ぼうやは一箱全部欲しがります。」
という言葉がある。
一箱全部ということは、アーモンドにチョコレートをかけた
コロコロしたものが入っていそうではないか。
今、お店に売っているアーモンドチョコレートの形は、
1913年のフランスにもあったのかもしれない。


0 件のコメント:

コメントを投稿