アーモンド チョコレートのワルツ
Valse du chocolat aux amandes
時代を遡り、アーモンド チョコレートを捜索したところ、
アーモンド チョコレートのワルツという曲の楽譜と出会った。
フランスの作曲家、エリック・サティ(1886年~1925年)の曲だ。
サティは1913年に、
『短いこどものお話し』
『絵にいかいたようなこどもらしさ』
『うるさいいたずら』という
こどものためのピアノ曲集を発表した。
アーモンド チョコレートのワルツは、
『短いこどものお話し』の中にある。
譜読みをしてみると「ヘン」なワルツで、
何が言いたいのかわからない。
楽譜には詩が書き込んであるが、歌詞ではないと思う。
でも、その「ヘン」なワルツと詩が絶妙に絡まり合うと、
「へー」と思えてくるのだ。
***<詩>***
Tu vas en avoir un peu.
少しだけなら食べていいわ。
Tu aimes le chocolat ?
チョコレート好きでしょ?
Laisse-le fondre dans la bouche.
口の中でとけるまで待つのよ。
Maman, il y a un os.
ママ、硬い骨が入ってる。
Non, mon petit : c’ est une amande.
いいえ、それはアーモンドよ。
Le petit garçon veut manger toute la boite
ぼうやは一箱全部欲しがります。
Comme il est gourmand!
なんて食いしんぼうなんだ!
Sa maman lui refuse doucement:il ne faut pas qu’il se rende malade.
ママはやさしく叱ります:おなかを悪くするといけないからね。
Horreur:Il
trepigne de colère.
おやおや、ぼうやがだだをこねている。
******
1913年のアーモンドチョコレートはどのような形をしていたのだろうか。
板チョコの上にアーモンドがお行儀よく並んでいたのだろうか。
それとも、砕いたアーモンドが混ざった板チョコだったのだろうか。
詩の中に、
「ぼうやは一箱全部欲しがります。」
という言葉がある。
一箱全部ということは、アーモンドにチョコレートをかけた
コロコロしたものが入っていそうではないか。
今、お店に売っているアーモンドチョコレートの形は、
1913年のフランスにもあったのかもしれない。
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